綺麗のはじまり。それは、食への”こだわり”から。Yuko

思いを伝えられる人

 竜望

先月、ファイルを整理した時に8年程前に切り抜いた新聞の記事が出てきた。

読売新聞のオトナの心得という小さな記事。

その当時は読んで欲しい古典的な人がいたので、切り抜いておいたのを覚えている。

その記事とは「思いを伝えられる人」

その少年は生まれつき片方の耳の耳殻がほとんどなく、目立たないように長髪にしていたそうである。

小学校のクラスメートの中には容赦なくからかう子供もいたが、少年は気にする様子も見せずに言い返し反対にやりこめたりして、いたって明るいのだそう。

その少年の強さが気になっていた担任の女性教論は、ある日二人きりになった機会に「からかわれてもめげたりしないあなたに、常々感心している」と話しかけた。

少年は目にうっすらと涙を浮かべぽつりぽつりと話した。
「お母さんが毎日、寝る前に『お前の耳はへんちくりんだけど世界一好きよ』と言って耳にチュッとキスしてくれる。だから友達に言われても、そう気にならない」

思いを言葉にして相手に伝える力は確実に衰えている。
私たちがこの母親の立場だったら、少年にそんな形で思いを伝えられるだろうか、と問いかけた。

一般に思ったことことを言葉にして表現する力は、男性の方が劣っているといわれる。「メシ」「フロ」「ネル」しか言わない古典的亭主像は論外にしても、たとえば、妻に対する感謝の気持ちを言葉にして素直に伝えられる夫は少数派ではないか。

「君の料理は世界一うまい」ぐらいから始めてみよう、と個人的には思っている。

という小さな切抜いた記事。

引き出しを開けたま床に座り久しぶりに読みながら、この記事を書かれた方はこの8年の間に「君の料理は世界一うまい」と伝えられたのだろうか。

たしかに思いを伝えるのは難しい。
大人になればなるほど伝えるタイミングを逃したり、逆にタイミングを考え過ぎたり。
伝えられなかったことに時々後悔したりもする。
(反対に伝える思いが強くて後悔することもあるけれど)

私に抱っこされて眠る甥も、自分の意思を伝えるために必死で話始める。
毎日、自分のトークに点数を付けている父親のDNAを受け継いでいるのだから間違いない。

思いを伝える楽しさ難しさを、きっと彼はたくさん私に気づかせてくれるだろうと思う。
そして私も素直に思いを伝えられる人になりたい。

それにしても・・・
8年前の事を覚えている自分が嫌だわ・・・

 

2011年6月26日 日曜日

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